1「どの株を買えばいい?」は、聞きません
聞いても、当たりさわりのない答えか、もう話題になった銘柄しか返ってきません。 ここにある12個は、ぜんぶ「調べる」「整理する」「比べる」ためのものです。
2資料は、自分で用意して渡します
AIは、渡していない資料も読んだつもりで話します。ここが、いちばん気をつけたいところです。 決算短信も開示も、自分でダウンロードして、添付してください。
| 決算短信・決算説明資料 | 会社のIRページ、またはTDnet |
|---|---|
| 有価証券報告書 | EDINET(金融庁) |
| 開示のお知らせ | TDnet |
| 株価・出来高 | お使いの証券会社のアプリ |
どれも無料です。
3答えが毎回変わっても、故障ではありません
AIは「次に来そうな言葉」を作る仕組みです。2回聞いて答えが違っても、こわれてはいません。 だから、大事な数字は必ず元の資料で確かめてください。 AIは下読みの係であって、答え合わせの相手ではありません。
ぜんぶ読まなくて大丈夫です。いまの場面に合うものを、ひとつ選んで使ってみてください。
名前は知っているけれど、どんな会社かよく知らない。最初の一歩です。
最新の決算短信(会社のIRページか、TDnetから)
あなたは、投資の初心者に会社を説明する係です。 添付した決算短信だけを読んで、次の順に、 専門用語を使わずに説明してください。 1. この会社は、誰に、何を売って、お金をもらっているか 2. 売上と利益は、前の年と比べて増えたか減ったか(数字も書く) 3. 会社自身が「良かった」と書いている点 4. 会社自身が「苦しい」と書いている点 5. この資料だけでは分からないこと 条件: ・添付資料に書かれていないことは書かないでください ・分からない場合は「資料に記載がありません」と答えてください ・株価の予想や、売買のすすめは書かないでください
「〇〇と△△を手がける会社」と書いてあるけれど、どっちが本業なのか分からない。
決算短信(あれば決算説明資料も)
添付資料から、この会社の事業ごとの売上と利益を、 表にしてください。 表の列:事業の名前/売上/営業利益/売上に占める割合 表の下に、次の2つを書いてください。 ・いちばん稼いでいるのはどの事業か ・前の年と比べて、いちばん伸びた事業と、いちばん落ちた事業 条件: ・資料にない数字は作らないでください ・記載がない場合は「記載なし」とだけ答えてください
決算発表があった。何が書いてあるのか、まず知りたい。
今回の決算短信と、できれば前の年の同じ時期の決算短信(2つ添付)
添付は同じ会社の決算短信です(今回と、前年の同じ時期)。 2つを比べて、次を表にしてください。 売上高/営業利益/経常利益/純利益 それぞれ「前年」「今回」「増減額」「増減率」 表の下に、次の3つを箇条書きで。 1. 会社が説明している、増えた(減った)理由 2. 今回の資料で新しく出てきた話 3. 前回はあったのに、今回は触れられていない話 条件: ・数字は資料の記載をそのまま使い、 計算した数字はその旨を書いてください ・良い悪いの評価や、今後の株価の話は書かないでください
「増収増益」と書いてあるけれど、それが本当に良いことなのか判断できない。
決算短信
添付の決算短信について、 「良く見える点」と「注意して見るべき点」を、 それぞれ3つずつ挙げてください。 条件: ・かならず資料の中の数字か記述を根拠として引用してください ・「注意して見るべき点」を無理に3つ埋めなくて構いません。 見当たらない場合は「見当たりません」と書いてください ・買うべき・売るべきという結論は書かないでください ・最後に「この判断に必要なのに、 この資料からは分からないこと」を挙げてください
会社の業績予想が出ている。それが強気なのか弱気なのか分からない。
決算短信(表紙に業績予想が載っています)
添付の決算短信から、会社が出している今期の業績予想を読み取り、 次を整理してください。 1. 今期の予想(売上・営業利益・純利益) 2. 前の期の実績と比べた増減率 3. 進捗率(今回までの実績 ÷ 今期予想) 4. 予想を出すにあたって、会社が前提として書いていること (為替、原材料、想定している市場環境など) 条件: ・4番は、資料に書かれた前提をそのまま引用してください ・予想が達成できるかどうかの見通しは書かないでください
「有利子負債」と言われても、多いのか少ないのか感覚がない。
決算短信(貸借対照表が載っています)
添付資料の貸借対照表から、次を抜き出して表にしてください。 現金及び預金 有利子負債(短期借入金・長期借入金・社債の合計) 総資産/自己資本/自己資本比率 表の下に、次を書いてください。 ・現金と有利子負債はどちらが多いか ・自己資本比率が、前の期と比べて上がったか下がったか 条件: ・有利子負債に何を含めたか、内訳を明記してください ・資料にない項目は「記載なし」としてください ・財務の健全性の評価や、投資判断は書かないでください
1社だけ見ても、それが普通なのか特別なのか分からない。
比べたい会社の決算短信を、2〜3社ぶん
添付は同じ業種の会社の決算短信です。 次の項目で、横並びの表を作ってください。 会社名/売上高/営業利益/営業利益率/自己資本比率 表の下に、次の2つだけを書いてください。 1. 数字の上で、他社と大きく違っている点 (どの会社の、どの項目か) 2. 単純に比べられない理由があれば、それ (決算期が違う、事業の中身が違う、など) 条件: ・優劣の順位づけや、どれが投資先として良いかは 書かないでください ・決算期が揃っていない場合は、必ずその旨を書いてください
持っている株、または見ている株が急に動いた。何かあったのか知りたい。
その日に出た適時開示(TDnetでその会社の開示を確認して、PDFを保存)
添付は、ある会社が出した開示資料です。 次を、専門用語を使わずに説明してください。 1. 何を知らせている資料か(1〜2行で) 2. 具体的に、何がどう変わるのか(数字があれば数字で) 3. いつから、どのくらいの期間の話か 4. この資料の中で、判断が分かれそうな点 条件: ・添付資料に書かれていることだけで説明してください ・株価にどう影響するかは書かないでください ・「好材料」「悪材料」という言葉は使わないでください
「〇〇に補助金」「△△が規制強化」といったニュースを見た。どこに効くのか考えたい。
ニュース記事の本文(コピーして貼ります)
次のニュースについて、影響が及びうる範囲を 「業種・事業のかたち」で整理してください。 会社名は挙げないでください。 【ニュース】 (ここに本文を貼る) 整理のしかた: 1. 直接影響を受ける事業(そのものを手がけている) 2. 間接的に関わる事業(材料、設備、工事、物流など) 3. 逆に不利になりうる事業 4. この整理が外れる場合、どんな理由が考えられるか 条件: ・具体的な会社名・銘柄名は挙げないでください ・株価の話は書かないでください
気になっているけれど、決めきれない。何を確かめれば決められるのか知りたい。
決算短信と、自分がなぜ気になっているかのメモ
私は次の理由で、この会社が気になっています。 【私の考え】 (ここに、自分の言葉で3〜5行) 添付の決算短信を読んだうえで、次を書いてください。 1. 私の考えのうち、資料で裏づけが取れる部分 2. 私の考えのうち、資料からは裏づけが取れない部分 3. 私の考えと、資料の内容が食い違っている部分 4. 判断するために、次に確かめるとよい資料は何か 条件: ・買うべきか、売るべきかは書かないでください ・私の考えを否定も肯定もせず、 資料との対応だけを示してください
下がった。何かが変わったのか、それとも自分の前提はまだ生きているのか。
買ったときの決算短信と、最新の決算短信(2つ添付)
添付は同じ会社の決算短信です(古いものと、新しいもの)。 2つを比べて、次を整理してください。 1. 数字として明確に変わったこと 2. 会社の説明の書きぶりが変わったこと (前は書かれていたのに消えた説明、新しく増えた説明) 3. 変わっていないこと 条件: ・株価の値動きについては触れないでください ・どうすべきかの助言は書かないでください ・3番(変わっていないこと)も、必ず書いてください
売買した。あるいは見送った。あとで振り返れるように残しておきたい。
なし(自分の言葉だけで大丈夫です)
私の判断を、あとで振り返れる記録の形に整えてください。 【日付】 【対象】 【やったこと】買った/売った/見送った 【そのとき考えたこと】 (自由に書く) 整えかた: ・「事実」と「私の考え・予想」を分けて書き直してください ・私が前提にしていることを箇条書きで抜き出してください ・その前提が崩れたと分かる出来事を、 確認できる形で挙げてください ・評価やコメントは不要です。整理だけしてください
1資料を渡さずに聞いてしまう
AIは、渡していない資料も読んだつもりで話します。数字が出てきたら、必ず元の資料で確かめてください。
2「どう思う?」と聞いてしまう
感想を求めると、当たりさわりのない話になります。「表にして」「抜き出して」「比べて」と、作業を頼んでください。
3答えをそのまま信じてしまう
同じことを2回聞いてみてください。答えが変わります。変わった部分は、確かめる必要がある部分です。
ここまでの12個は、すべて「資料を自分で用意して、AIに渡す」やり方でした。
やっていた作業を数えると、こうなります。
1探す(TDnetやIRページを開いて、資料を見つける)
2ダウンロードする
3AIに渡す
4確かめる(出てきた数字を、元の資料で照合する)
5もう一度(次の会社で、また1から)
1社あたり、この5つです。3社比べたければ3回。10社なら10回。
日本の上場企業は、3,000社を超えます。
……手では、届きませんよね。
資料を運ぶ人が、いなくなります。
それが、レベル3から先の話です。